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[鍼灸マッサージ師] 『第27回日本臨床スポーツ医学会学術集会』に参加してきました

2016年11月09日

 第27回日本臨床スポーツ医学会学術集会が11月5日(土)・6日(日)、千葉幕張メッセ国際会議場で開催されました。昨年は神戸開催でしたので、2年ぶりの関東地区開催ということもあり、3000名近くの参加があった模様です。
 日本臨床スポーツ医学会とは、正会員は医師もしくは歯科医師、準会員はそれ以外の者(トレーナー、あはき師はこの枠です)、しかしながら両者ともに学会の設立目的(『臨床スポーツ医学領域における研究の促進と情報交換を図り、スポーツ医学の進歩・普及とスポーツの発展に寄与し、国民の健康と福祉に貢献することを目的とする。』)に賛同した会員で構成された学会です。会長のお言葉を借りるとすると『スポーツにかかわる数多くの方々にとって日本臨床スポーツ医学会は、一堂に集いスポーツについて語る、また考えることができる唯一の貴重な学会(大会HP会長挨拶より引用)』となります。もちろん、学術集会への参加は一般の方も学生も可能です。
 
 今回のテーマは“Rio to Tokyo”、大会会長である東京医科歯科大学大学院の宗田大先生が大会HPで述べていらっしゃる通り、『オリンピックを取り巻くさまざまな取り組みがRioを目指してどのように行われ、そしてRioを終えてどうだったのか。その経験を生かしてどうTokyoを目指すのか、生々しいディスカッション』が、それぞれの会場で活発に行われていました。





 本校AT専任教員の三井・岩倉は第1日目から、私は2日目のみ参加しました。日常の業務は完璧なチームワークで臨んでおりますが今回は全くの自由行動、それぞれが興味のある演題に足を運んだ結果、3人全員が揃うことは全くありませんでした(苦笑)。

<以下、それぞれの教員の所感です>
 
 新横浜で開催された第24回大会以来、3年ぶりの参加となりました。今回の印象を一言で表すとすると「prevention(予防)」となるでしょうか。前回大会の演題も傷害/実態/診断/治療法といった内容から、予防に視点が代わりつつあると感じていましたが、今回参加したことで確信しました。福林徹先生はじめ著名なスポーツドクターの先生方が「ACL損傷予防」のシンポジウムにおいて、接地後の受傷なのか、もしくは離地期の受傷なのか、科学的見地と臨床現場の知見をもとに交わされた意見交換は正に圧巻、ドクターの先生方が受傷機転にについてこれほど熱く語られる場面に同席できたことは非常に有意義な時間となりました。
 「東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーを考える」河野一郎先生のお言葉、『スポーツが取り上げられた後の決まり文句“夢と感動をありがとう”だけで終わらせてはならない』、常に念頭に置いて動いていく必要性を強く感じました。<大西千佳>
 
 
 過去に私が参加した本学会学術集会の中で、最も頻繁に「prevention(予防)」というフレーズを耳にしました。近年、スポーツが高度化する中、1回の傷害による競技からの離脱が競技者にとっていかに致命的であるか。最新スポーツ医学を以ってしても元の状態に戻るまでがいかに難渋するか。ある意味ではスポーツ医学の限界を表しているようにも感じ、その限界を打破するべくフォーカスを予防へとシフトしているようにも感じました。
福林徹先生のご講演の中で「ドクターがスポーツ現場に足を運んで傷害予防に働きかけるには限界があるため、ドクターはスポーツ現場で活動しているアスレティックトレーナーをもっと積極的に活用するべき。」というメッセージが強く印象に残っています。スポーツ現場において傷害予防に対する取り組みを最も期待されているのがアスレティックトレーナーです。また、リオオリンピックのトレーナー活動の中では徒手療法が最も用いられたという報告もあり、あはき師資格の重要性も再認識しました。
競技者自身が率先してセルフチェックやセルフケアを行える環境づくり、プライマリーチェックやプライマリーケアの充実、そしていざとなった時の素早い医療機関との連携が、傷害予防や重症化の予防に繋がります。競技者が最高のパフォーマンスを発揮するためには傷害の予防が不可欠であり、アスレティックトレーナーによる入念な準備とスポーツ環境への働きかけが鍵を握っています。
アスレティックトレーナーがこの学術集会のような最新の医科学的情報をスポーツ現場に活用していくことで、日本のスポーツ界に多大な利益をもたらすと信じています。<三井健太郎>
 
 
 今回初めて本学会学術集会に参加させていただきました。著名ドクター・トレーナー方の中、熱心な医学生や次世代トレーナーたちの集うこの学術集会は本当に素晴らしい場だと身をもって感じることが出来ました。前述の通り本校3名の教員は日曜に一目も遭遇することなく朝から終了までの8~9時間を各自思う存分に満喫させていただきました。
 今回2016RIOパラリンピックにチームトレーナーとして帯同させていただき、スポーツ医科学スタッフとの連携の中から多くの事を学びました。自身の役割範囲から少し広げた分野の専門家たちと出逢い興味が広がり、しかしそれはAT業務として範囲外ではなく範囲の一つである分野であり、ともにチームサポートをしてきたことは財産となる経験でした。今回の聴講内容はそれら専門家たちから得た情報をもっと広げたいという気持ちにかられての聴講選択となり、またATの可能性の広さ、求められる業務の幅広さを再度確認しました。
 また、我々ATの主となるアスレティックリハビリテーションや救急処置、外傷・障害対応の分野聴講では、最先端の現場メディカルにおける認定資格やその教育を垣間見ることが出来、まだスポーツの現場は変わる部分、変わらなければならない部分が多々あると痛感しました。黒田良祐先生のご講演の中で「過去に良いとされてきた治療法が10年たったら変わる。私たちが今選択する治療法がいつか間違っていたと言われるかもしれないが、今目の前の患者選手に対して最善の選択をする」とおっしゃっておられました。我々あはき師ATもスポーツ医学に関わる“メディカルチーム“としてより新しい医学情報を取り入れ現場対応していくことが役割だと思います。今回のメインキーワードとなっていた「prevention(予防)」も同じくです。
 参加してみて、本学術集会への鍼灸マッサージ師の参加が少なく感じました。スポーツ現場に鍼灸マッサージ師は求められています。医師と肩を並べて最新のスポーツ医学について聴講して考えるこの場に、是非どんどん鍼灸マッサージ師、ATが参加し、今後さらにスポーツ医学についての連携を取って行けたらと感じた貴重な2日間となりました。<岩倉瞳>


〈懇親会会場外にてマーくんと(笑)〉
 
 来年度の開催地の発表はありませんでしたが、スポーツに携わる多くの方が一同に会し、最新の医学情報が学べる貴重な学術集会です。参加者の半分程はドクター、3割程がPT、残りがトレーナーといった印象です。スポーツ現場にも相当数いるはずの“あはきAT”の顔がもっと揃えばな、と強く感じました。
 
 最後になりますが、附帯教育担当3名を快く参加させて下さった関係者の皆様に深く感謝致します。
 
附帯教育主任 大西千佳