松本 美由季
2001年卒
vol.1
ミユキ先生のドイツ日記
Grüß Gott!(クリュスコット;ここ南ドイツ、バイエルン地方の方言で「こんにちは」)
ようやく春めいてきたドイツからはじめてのエアメールです。
私は2000年度にここ神奈川衛生学園を卒業しました松本美由季と申します。卒後は鍼灸師や、非常勤講師、研究生などをやっておりましたが2009年9月に予期せず家族の転勤に伴いAugsburg(独;アウクスブルク、英;アウグスブルグ),ドイツにやってきました。残念なことにドイツ語は話せません。基本的にはドイツ語の習得から始めるべきなのでしょうが、2人の子供たちがインターナショナルスクールに通っていることもあり、英語だけで生活をしています。これからこのエアメールでは、ドイツを中心としたヨーロッパの鍼灸事情などを徒然なるままに書き綴ってゆこうと思います。
ドイツは美しい国です。アウトバーン(高速道路)や電車で走ると周り一帯は美しい緑の草原です。春はそこに菜の花やタンポポでさらに美しい黄色や白の彩が加わります。冬はその草原が一面の銀世界となり、目を凝らすと動物たちの足跡が無数に残っています。草原の向こうには小さな村があり、そこには必ず宗派や時代によって様々な形をした教会の塔が村のシンボルとしてそびえ立っています。
ドイツの地名にはその地方の歴史や街並みを表すことが多くあります。現在私の住んでいるAugsburgの”Augs”とは皇帝アウグストゥスのこと、“Burg”とは城、つまり皇帝アウグストゥスが城を建立した街です。ドイツには他にもBurgと名の付く街が数多くあります。有名なHamburg、世界遺産がありロマンチィック街道の始発点Würzburg, クリスマスマーケットの有名なRöthenburg o.d.Tauberなど、城を中心に栄えた城下町が今も美しく残っています。これらはおおよそ百数十年~数百年以上前のものを補修改善しながら保ってきたものであり、いずれの街並みもとても味わいのあるものです。
ドイツでは、このような古き良きものとの同居をしているためかそれらを大切にする心も当り前のように浸透しています。加えて、春が来るのを心待ちに長い長~い冬(一年の半分は冬と言っても過言ではない?)を雪とともに過ごすドイツ人は、緑や太陽などを本当に愛でそして自然を大切にしています。これらの思想は牽いては、自分たちの身体も古くからある自然療法によって治療することを好むという趣に向けられているように感じます。
ここドイツでの鍼灸医療は主には医師(または自然療法を認められているハイルプラクティカー)が治療を行っています。私が想像していた以上にドイツでの鍼灸の普及率は高く、東洋医学をあまり知らない医師でも専門分野において鍼治療を併用することもあります。また日本ではあまりお見かけできませんが、医師が鍼灸科として開院することも珍しいことではありません。こちらでの鍼の手法は主に中国伝統医学(;TCM)によって行われているそうで、最もよく使われている鍼種は3番鍼(太さ0.20mm)以上での施術が多いと伺っています。







