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図書室からのお知らせ

教職員<本の紹介コーナー> 笹倉淳子先生

2012年08月03日

7/22体験入学

このコーナー、昨年秋からしばらく中断しておりましたが、
この夏再び復活しました。
2012年度の最初に登場していただく先生は
当校学科長の笹倉淳子先生です。

下記3冊をご紹介いただきました。

・『「また、必ず会おう」と誰もが言った。」』
 喜多川泰著 サンマーク出版  2010年
・『だいすきのたね』
 礒みゆき作絵  ポプラ社 2003年
・『リンパ浮腫診療実践ガイド』
 「リンパ浮腫診療実践ガイド」編集委員会編   医学書院  2011年


本との出逢い“偶然ではなく必然!”  教務 笹倉淳子

●出逢いPART1
ある勉強会で素敵な出逢いがありました。たまたまグループワークでご一緒することになった方々ですが、
職業も年齢も住む土地もさまざまだけど、出逢えて良かったと素直に思える方々でした。
心がとても気持ちの良い人達だったのです。私にとって何か原点に戻った瞬間でした。
以前尊敬するドイツの先生から“出逢いは偶然ではなく必然である”という事を言われたことがありますが、
本当にそう思えました。これからも遠くから応援しあえる関係がその方々と続くのでは?という想いを抱きながら、
その日帰りに乗った電車内で、貼られていた本の広告にふと目が止まりました。
その本のタイトルは『「また、必ず会おう」と誰もが言った。」』です。
何か心を揺さぶられるタイトルに、すごくひっかかり、そんな時は即行動!!!と決め、
電車を降りてそのまま本屋さんに行き、本の名前を唱えながら探しました。するとその本がありました。

笹倉先生

これも出逢いだと想い、家に帰って夜中読みました。非常に読みやすいもので、一気に読めました。
この本のストーリーは高校生の男の子が主人公ですが、最初についた
嘘がきっかけで、旅をすることになるのです。そこでさまざまな方との
出逢いがありこの子に必要なことが起きてきて、大事なことをその都度
教わっていくのです。どの出逢いも欠かせないものなのだと改めて感じ
ました。この本を読み、久々に最後まで他の事を考えることもなく、
わくわくしながら集中して読みました。そして何かあるとこの本を読んでし
まいます。この本の中に素敵な言葉がいくつも出てきて、すごく大切な宝
物がいっぱい詰まっていると感じました。
ぜひこの夏に読んでみてください。
きっと何か感じるものがあるはずです。

●出逢いPART2
子供がいると、本といえば“絵本”です。小さいころ絵本を読んだ記憶がありますが、
今は絵本もさまざまなものがあり、相当な本の数ですよね。最初は子供のために絵本を購入していましたが、
どんどん増えてしまい、「気に入った絵本だけ購入しよう!」と決めて、2週間に1回は子供を連れて
図書館通いをすることになりました。1回で10冊ほど借り、これを数年読みましたので、今数百冊を超えて読んでいます。非常に単純でハッピーエンドもあれば、考えさせれるものもあります。私がよく行く図書館だとタイトルのあいうえお順に整理されているので、今日は「あ」の棚から読みたい絵本を決めて借りたり、一度読んでよかった作家の本を図書館内のPCで検索して借りたりと楽しんでいます。その際、やはりタイトルと表紙の感じが大切で、手に取るか否かが決まってしまいます。
子供などはPCでこんな言葉が入った絵本はあるか?と検索して、あると喜んで借りたりしています。
星の数ほどある絵本の中から選んで読むというのはこれもまたご縁ですね。それから図書館には紙芝居も借りることができ、絵本とはまた違った楽しみがあります。

笹倉先生

お奨めする本は数多くありますが、そのなかで今回ご紹介するのが、『だいすきのたね』という絵本です。
図書館で借りて何度も読み、最後には我が家の本棚に入った一冊です。
非常に芯を持った王子が信念を持って木を育てるのです。印象深いのが、優しく木とハグをして語りかけるのです。そして最後には無理だと思われていた花を咲かせるのです。子供からは“ママも好きな本”と言われています。絵本から学ぶものもすごく多いので、絵本もまた読まれるとよいと思います。子供を持つと絵本を親が読むものと考えておりましたが、最近では子供のほうが親に読んでくれることが増えてきました。子供の成長を感じるとともに、本のつながりってこんなところにもあるのだなーとつくづく思います。
 先人は百人一首などもそうですが、言葉遊びがすごく上手だったなと改めて思います。
高齢者の方とお話ししても綺麗な日本語で、粋な言葉の使い方をされる方が多く、
同じ日本人として今そういったことが欠如していってしまっているなーと痛感します。
日本語って豊富な表現方法があるのですよね。私自身もそうですが、子供にも言葉遊びができる人になって欲しいという願いをもっています。
これからも図書館通いを続けていきたいと思っています。

●出逢いPART3
最後にお薦めする本が、昨年出版された『リンパ浮腫診療実践ガイド』です。
この本は初のリンパ浮腫診療の総合書籍として出されたものです。リンパ浮腫の診断と評価から始まり、
治療、セルフケア、それを取り巻く社会的側面、全国各地の取り組み、セラピストの教育、
患者会からの声などが集約されており、包括的に載せられている本で非常に丁寧に作られています。

笹倉先生

この本の出版に際し、関わっている多くの方が大事な本であるという認識
を持たれながら、わかりやすい表現を心掛けて言葉をつなげられ、集大
成となったのだと強く感じます。
微力ながら私もこの本に携わらせていただきました。
私がリンパ浮腫に対する複合的理学療法に初めて出会ったのが、もう
15年位前のことになります。それからリンパ浮腫を抱える患者さんの施
術が始まり、普及啓発活動にも関わってきました。当時の日本はリンパ
浮腫に関する情報が少なく、施術できる環境がほとんどないという状況
でしたが、現在では日本全国に病院内でリンパ浮腫外来が開設された
り、リンパ浮腫の施術を行える施術所(あん摩マッサージ指圧師)も増え
てきており、多くの前進があったことに心から喜びを感じております。
 
 一人の力ではできないものが、熱い想いを持った方々が手を携えて進めていくと夢ではなく現実として
良い変化をもたらすのだということを教えてくれました。そういった意味からもお奨めする一冊です。