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教職員<本の紹介コーナー> 米田好孝先生

2013年07月05日

米田先生201301


2013年度最初の担当は米田先生です。

米田先生がこのコーナーに登場するのは本当に久しぶりですが、
なんと、その間にパパに!

今回はそんな新米パパの米田先生からの紹介です。

・「永遠の0」 講談社文庫 講談社 百田尚樹 著
・「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」 風雲舎 加茂淳 著
・「腰痛は脳の勘違いだった」 風雲舎 戸澤洋二 著

永遠

腰痛1

腰痛2

まず一冊目は医療関係とは離れますが「永遠の0」です。これは第2次世界大戦を背景とした、ゼロ戦パイロットの物語です。
この本は、2009年の発売から100万部を突破したベストセラーです。また今年映画化されます。多くの人が読んでいる本でもありますし、話題についていくためにも映画化される前に一読すべきだと思います。(映画化されると時間の関係からカットされる場面があると思われるため)

買った本の帯にはこんなことが書かれています。
「僕は号泣するのを懸命に歯を喰いしばってこらえた。が、ダメだった」(児玉清)
クチコミだけで広がった感動の嵐、ついに100万部突破!
そして日本中が待望していた映画化へ
児玉清さん(アタック25懐かしいですよね~)の言葉気になります。

どのような内容かと申しますと・・・・・
神風特攻隊で亡くなった主人公を通して「家族の絆」が一番大きなテーマとなっています。また神風特攻隊として亡くなった方々の心情や、当時の日本の状況など生々しく描かれています。
話の展開としては孫が自分の祖父(主人公)の形跡を調べるため、当時主人公と付き合いがあった方々に直接当時の話を聞いていきます。
そしてその昔話で出てきた言葉は・・・・・
ゼロ戦の搭乗員として、超一流の優れた技術を持っていたが、戦場では逃げ回っていたということが最初の方の証言で出てきます。「生きて帰る」というのが口癖で、臆病者というレッテルを張られていたと・・・
孫はショックを受け落胆します。しかし2人目、3人目と話を聞いていくうちに徐々に誤解が解けていきます。確かに積極的に戦いには参加しなかったが、主人公のおかげで救われたという話や、周りの部下を思う気持ちなど当時の軍人としては珍しい立ち振る舞いだったことが分かってきます。そして何より家族との約束を第一優先にしながら出撃する姿に孫たちも尊敬の念から涙します。しかし戦局は悪化していき、拒否していた神風特攻隊として最期を迎えます。このラストシーンですが驚くべき展開となっています。ここでは書きません。ぜひ読んでください。

米田3

また当時の日本の戦局も生々しく描かれています。真珠湾奇襲からミッドウェー海戦、ラバウル、ガダルカナル島など徐々に戦局が悪化していきます。司令官の 無謀な作戦、消耗品扱いされた兵士の状況など読んでいて胸が痛くなります。そして戦局は、泥沼化となり、学徒出陣で大学生まで戦争に巻き込まれます。最初は無敵だったゼロ戦もアメリカの物量作戦や最新テクノロジーの前に歯が立たなくなってきます。また日本軍の無謀な作戦により熟練パイロットも息絶えていきます。戦争を知らない私たちは、戦争という過ちを繰り返してはいけないことは、頭では理解していますが、その内容を知らなすぎます。この本を読んだからといっ て、すべてが理解できるわけではありません。少しでも当時の事に興味を持ち、聴く耳を持つことが重要です。歴史は大なり小なり繰り返されます。歴史を学 び、知ろうとすることが未来に対する備えだと思います。くどいようですが、映画を見る前に一読ください。

後の2冊は「トリガーポイントブロックで腰痛は治る」と「腰痛は脳の勘違いだった」です。これは医療関係の本で、「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう」の臨床に携わる皆さんには是非読んでほしい本です。

「トリガーポイントブロックで腰痛は治る」
これは整形外科のドクターである加茂淳先生の著書です。加茂先生は、石川県小松市で整形外科医院を開業し、腰痛など筋骨格系の痛みを訴える人々の“駆け込み寺”となっている先生です。
「日本の腰痛治療は、そもそも前提が間違っている」という視点から始まります。
腰痛などの筋骨格系の痛みというのは、筋肉のけいれんからくる「筋痛症」が原因であると言います。骨格のゆがみや、髄核などが神経を圧迫して痛みが出ることを否定します。
これはヘルニアの手術をしても完治しない例が、あまりにも多いという事実などから考えられます。

そして筆者は、そもそも痛みとは何か?ということを生理学的に考察し明解な答えを出します。
ここでは、その内容を割愛しますが、この本の重要なポイントとなるところなので、しっかり読んでほしいです。
そしてこの本の題名にもなっている「トリガーポイント」の説明もします。
トリガーポイントとは何か?
痛みを放置しそのままにするとどうなるのか?
どのように治療すればよいのか?
など分かりやすく書かれています。
後半は実際の臨床例が記載されています。
この本は、生理学を学んだ医療関係者、学生の方々には熟読してほしい一冊です。

「腰痛は脳の勘違いだった」

この本は筆者が患者であり、7年間にも及ぶ腰痛の闘病記です。癌など生死にかかわる病気の闘病記は多くありますが、腰痛の闘病記は目にする機会も少なく非常に希少価値が高い本です。また施術者が、患者の事を知る意味でも読んでいただきたい一冊です。

筆者はひょんなことから(庭の作業中)腰痛、足の痛みが起こります。そして整形外科に行っても、原因がわからず「坐骨神経痛」と診断されます。とりあえずホットパックと牽引をしながら様子をみますが良くならず、様々な治療を受けます。
カイロ、鍼灸、整骨院、気功など・・・・
色んな治療を受けましたが、良くならず悪くなっていきます。
痛みは更に増していき、「足を切断してくれ」と言わんばかりの痛みに襲われるようになりました。
ここから筆者は、実際自分の痛みを振り返り、なぜ「痛みが続くのか」考えるようになります。
そして辿り着いた答えが「脳の勘違い」でした。
何が「脳の勘違いなのか?」これも先ほどの本同様、重要な箇所を割愛しますが「痛みの悪循環」の事を生理学的に分かりやすく書かれています。

ちなみにこの筆者は、最終的にはペインクリニック(麻酔科のドクター)を受診し、痛みの箇所のトリガーポイントブロックと神経に対しての硬膜外ブロックを併用し、脳に対しては、抗うつ剤を服用し完治したと書かれています。
この治療を1週間に一度続け、1か月ぐらいで治ってくる実感が湧いてきたみたいです。また治療継続3か月になると、1分も立っていられなかった足の痛みが、満員電車で20分立ち続けても痛みがない状況にまで回復したと書かれています。
我々「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師」は、整形外科や他の病院に行ってもよくならない痛みや、不定愁訴などを抱えた患者さんに対し施術をします。患者さんは自分の症状が良くならないと、不安から色々聞いてきます。

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「なぜ痛みが続くのですか?」このように患者さんから質問されたとき、あなたならどのように答えますか?
説明と同意に関しては医療関係者に必ず求められます。患者さんの訴えた痛みの原因が何なのか?考え、患者さんにも分かる様、説明しなければなりません。その時、整形外科的観点からしか考えがないようでは対応できない事が多いです。その様な時は生理学的観点から痛みを理解し、説明することも一例としてあり ます。この2冊はその辺りが非常に分かりやすく書かれています。その為にも臨床では必ず手助けになります。図書には2冊ともあるので是非一読ください。
「永遠の0」では家族愛が描かれています。
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